年齢 | 勤務期間 | 給料(月平均) | 担当した工程 |
---|---|---|---|
26歳 | 2年 | 30万円前後 | 組立ライン |
期間工として一定の期間勤務をしたとき、先輩たちはどのような体験をしたのか興味があります。
そこで、実際に期間工として勤務をしていた人の体験談や、まだ勤務中の人の体験談をまとめてみたので、参考にしてください。
マツダ期間工Yさんの体験談
マツダで期間工をしていたYさんの体験談です。
Yさんは現在26歳の男性で、高校を卒業して飲食店に就職しましたが残念ながら閉店してしまいました。板前としてやってきた経験を生かして再出発する前に、ある程度の資金を貯めておいて、時期が来たら独立をするために期間工になったといいます。
そのYさんが働いていた工場や時期と期間、給料面や寮の生活など、これから期間工を目指す人にとっては見逃せない情報を紹介します。
働いている、または働いていた工場名
自分が働いていたのは宇品工場だったですね。完成車の組み立て工場だったんで、ロードスターやCX-3・CX-5なんかを作っている工場でした。
働いていた時期と期間
自分が働いていた期間はちょうど2年間です。時期は平成27年5月から29年5月までした。
期間工になった理由を教えてください
高校を卒業して、板前になりたかったんで小さな割烹料理店に就職したんですけど、経営者だった親方が急に亡くなって店を閉めることになったんです。それで急に先のことを考えなきゃいけなくなったんです。
最終的には小さくてもいいから自分の店を持ちたいっていう希望を持ち続けてたんで、女将さんが紹介してくれた店に行く前に、なんかやってある程度の資金を貯めておきたかったんです。
女将さんが紹介してくれた店に待ってもらえる約束の期間は2年だったんで、その短い期間である程度の金額を貯められるっていう職業を探して、期間工になることにしました。
いまは亡くなった親方の女将さんが紹介してくれた、新宿の割烹で働いてます。二番板目指して、毎日奮闘中です。
面接ではどんなことを聞かれましたか?
面接で聞かれることはいくつもありましたね。
仕事はきついが体力に自信はあるか、日勤と夜勤を繰り返す交替勤務だが大丈夫か、繁忙期には毎日残業になることもあるがかまわないか、志望動機はどんなことなのか、刺青はしているか、借金はあるかなんて言うのが主な質問だったと思いますね。あ、それと寮は古い建物もあるけれど文句は言わないかっていうのもありましたね。
他にも細かいことをいくつも聞かれたけれど、はっきりは覚えてないです。
板前の仕事って、案外体を使うことが多いし、早朝から深夜まで働くんで、自分は全部に対して自信はありますって答えました。それに中学、高校の6年間剣道をやってたことも言いました。
それと板前は客商売なんで、刺青なんてしてる人はいないんで自分もしてませんって答えたと思います。結果的に、全部の質問に対して前向きの答え方をしたと思います。
やっていた作業・仕事内容は?
自分はロードスターの組み立てラインで仕事をしてました。最初は、シートやダッシュボードなんかの内装品を組み付けていく仕事でした。1年ぐらいしてから、今度はサスペンションやブレーキユニット、それにタイヤなんかを組み付けていくポジションに移って、辞めるまでそこを担当してました。
綺麗に塗装し終わったボディーが流れてくるんで、初めのうちは傷つけちゃやばいって、すごく緊張したけれど、慣れてくると案外楽にできましたね。ただ、流れていくスピードが想像してたより速いんで、焦ったことも何度かありますね。それにも慣れちゃうと、自然に体が動きますよ。
給料はどのくらいでしたか?
期間工の基本賃金って日給制なんで、初めは8,000円スタートでしたね。勤務期間なんかで最終的には10,000円になるみたいですね。
自分の場合、月収は税込みでだいたい30万円前後でした。これに契約更新の時に満了金をもらえるんで、年収はほぼ400万円ぐらいだったです。
まだこんなにもらったことってなかったんで、初給料の時はちょっとびっくりしたことを覚えてます。
寮や社宅生活はどうでしたか?
自分が住んでたのは大原寮っていうところでした。2段ベッドが2つある部屋だけど、なぜか自分1人で使えたんで個室っていう感じでしたね。
テレビや冷蔵庫、エアコンもついてるし、布団なんかも全部あるんで、まったく不自由はなかったです。トイレや風呂は共同だったけど、掃除しなくていいんでかえって良かったって感じです。
基本的に自炊は禁止なんで、飯は食堂です。よく寮の飯は不味いっていうやつがいたけれど、正直言って旨くはないけれど普通に食えました。
それでもたまには食堂以外の飯って思った時には、近くのコンビニやスーパーの弁当っていう選択肢もあったし、たまには外食っていう感じでしたね。
駅までは少し距離があったけれど、自転車の貸し出しがあったんでそれほど苦痛じゃなかったですね。あと、年に2回布団の交換があったのは嬉しかったです。
社内や寮での人間関係はどうでしたか?
人間関係で嫌な思いをしたことはなかったですね。正社員の人たちも、自分たち期間工に対して上から目線っていう人はあんまりいなかったし、期間工同士の関係も普通ですよ。
気の合った奴らとは食堂でも一緒に飯を喰ったし、それ以外の人たちともお互いに挨拶ぐらいは普通にしてたと思いますね。特に気の合った奴らとはお互いの部屋を行き来して、CDの貸し借りをしたり酒を飲んだりしてたんで、人間関係は良い方だったと思いますよ。
休日はどのようにすごしていましたか?
休日ですか? 休日は部屋でゴロゴロしたり、気の合った奴らと繁華街に出て旨いものを喰いながら一杯飲んだりっていう感じですね。
絶対に板前に復帰するんで、瀬戸内産魚介類の料理方法は勉強になりましたね。それに、何より旨いんで、高いけど結構食べ歩きはしましたよ。
そんなことを毎回できないから、他の時には日用品の買い出しをするとか後は部屋の掃除や洗濯をしたりしてました。普段、洗濯って溜めちゃいますから。
期間工になって良かったと思うことは?
良かったことは、目標金額を貯められたことです。このお金には絶対に手を付けないで、今の親方に認められて独立が許されたときに使います。
それと、忍耐力が付いたことも良かったことですね。何しろ期間工の仕事っていうのは、決められたことをひたすら黙々とやるだけなんで、すごくストレスが溜まるんです。
それに耐えて仕事をやり続けることで、自分でいうのも変ですがかなり忍耐力が付いたと思います。今の親方にも「Y、お前以外に辛抱強いな」って褒められましたから。これは期間工を経験する前の自分にはなかったことなんで、なんだか嬉しかったですね。
期間工になって一番きついと感じたことは?
一番きつかったことは、やっぱりただひたすら黙々と仕事をやり続けることでしたね。仕事中は、まったく会話がないし、やらなくちゃいけない仕事は過ぎから次に流れてくるんで、いくらやっても終わらないんです。
要するに先が見えないっていう感じなんで、極端に言うと絶望感に襲われることもありますよ。それが毎日続くんで、嫌になって辞めちゃう人も結構いました。
多分この感覚が一番きつかったかな?
これから期間工になる人にひとこと
いま言ったようなきついことが必ず出てくるんで、それに耐えることが必要ですね。耐えるために一番必要なことは、自分の場合だと「決められた期間に、目標金額を貯める」っていうことでした。なにかそんなことを見つければ、案外耐えられます。
それか、そういう辛いことを感じなくなっちゃう人もいました。その人の場合、作業に没頭することがコツだっていってました。作業に没頭すると、余計なことを考えなくなるから辛いっていう感覚も湧いてこなくなるんだそうです。そんな感じで、自分をコントロールできるようにすることが、期間工を長く続けるコツですね。
せっかく期間工になったんだったら、しっかりお金を貯めて、なにか自分に投資できるようにするべきですよ。じゃないと、もったいないです。