ホンダの狭山工場の閉鎖するのか?しないのか?

ホンダは2017年10月に狭山工場の閉鎖を発表しています。しかし2018年7月30日、日経新聞により一転して狭山工場存続という報道がありました。

その報道受けてホンダの倉石副社長が翌日の7月31日に、計画通りに閉鎖をすると発表。日経の報道は誤報であると会見で言っています。

まさに情報の錯綜という状態になっています。いったい、ホンダ埼玉製作所狭山工場は閉鎖なのか存続なのか、気になるところです。

そこで、なぜこのような状態になってしまったのか、もし本当に狭山工場が閉鎖になったら、期間工はどうなるのかなどについて、考えてみました。

【目次】ホンダの狭山工場の閉鎖するのか?しないのか?
  1. ホンダ国内工場再編について
    1. 各工場の役割分担について
    2. 狭山工場閉鎖報道
  2. まとめ

ホンダ国内工場再編について

まず狭山工場閉鎖を考える時、ホンダの生産拠点の再編について考える必要があります。

現状ホンダの生産拠点は鈴鹿製作所と埼玉製作所になります。他に、唯一社外委託として八千代工業株式会社四日市製作所があります。各工場にはそれぞれの役割があります。

そして時代の潮流として自動車のパワーユニットがEVに傾倒しつつある現在、各工場の役割分担を変えていかなければ、グローバル企業としてのホンダは世界から置いていかれる可能性があるため、国内の生産拠点を再編する必要性に迫られています。

各工場の役割分担について

では再編後、各工場はどのような役割を持つのか、考えてみましょう。

ほぼ現状のままの工場もあるし、大きな変革を担っていく必要に迫られる工場もあります。それぞれの工場が持つ役割分担を見ていきます。

埼玉製作所の役割

現状、埼玉製作所はエンジン製造の小川工場、完成車組み立ての狭山工場と寄居工場があります。

この中で狭山工場はかつての「HONDA N360」の生産から始まった、50年以上の歴史を持つ由緒ある工場です。しかし言ってみれば、老朽化は否めません。

しかし寄居工場は2013年稼働開始という、最新の設備を持った工場です。このため新技術に対応した生産技術を構築、標準化して海外の生産拠点に展開するマザーファクトリーの役割を今後受け持つことになります。

具体的には海外の生産拠点からアソシエイトを集めて、寄居工場の実証ラインで新技術を検証しながら熟成を図って完成させます。その技術を世界に展開して、高品質な新製品を素早く市場投入できるようにする役割を持たせます。

これによって世界的な潮流であるパワーユニットのEV化や、生産ラインのAI化に対応したホンダ独自の技術も寄居工場から発信することになります。

ちなみにアソシエイトとは非役付きだが、基幹業務に従事する人たちのことを言います。主に外資系企業で用いられる職位のことです。

鈴鹿製作所の役割

現状の鈴鹿製作所は軽自動車とスモールカーの生産拠点になっています。

この役割分担は再編後も変わりません。あくまでも軽自動車とスモールカーの生産拠点として、今後も活動していくことになります。

八千代工業四日市製作所の役割

八千代工業は、四日市製作所の完成車生産事業をホンダ技研に譲り渡すことにすでに合意しています。これによって、四日市製作所はホンダの完全子会社化になっています。

この結果、S660・アクティーシリーズ・バモスシリーズ・福祉車両・軽自動車の架装など、少量生産車の高効率化を目指すことが可能になりました。

一方八千代工業自体は、燃料タンクやサンルーフなどの生産に企業としての資源を集中できるので、こちらもさらなる高効率化を目指すことが可能になっています。

このような高効率化を目指すことが、役割になっています。

狭山工場閉鎖報道

冒頭でも言ったようにホンダは2017年10月に狭山工場の閉鎖を発表しています。当然このことは、各報道機関により、世間に知られるところとなっています。

その反響は大きく、2018年4月の通常国会でも、議論されたほどです。共産党の塩川鉄也衆議院議員の「ホンダ狭山工場閉鎖による雇用への影響や地域経済に対する影響は?」という質問に対して、茂木国務大臣ははっきりとした答弁ができませんでした。

確かにホンダの内部留保は7兆4千8百億円といわれていて、トヨタ・三菱UFJ銀行・NTTに次いで第4位という巨額です。

これだけの内部留保がありながら、狭山工場を完全未来化した工場にするための資金がないとは考えられません。

とはいえ、ホンダは伊東前社長が挙げていた「国内100万台生産維持」の旗を降ろしています。その結果、2016年度の国内生産台数は約81万台でした。

理由として考えられることは、少子高齢化によって国内の自動車マーケットが伸び悩みというより、縮小傾向になっていることが挙げられます。

現在のホンダが持つ生産能力は年間約106万台にのぼります。この数字は現在のホンダにとっては、フル稼働させた場合明らかに過剰生産になってしまいます。

そうなると、生産効率を考えたときには、やはり再編は欠かせません。結局、現在ある生産設備を集約して現状に即した体制に持っていくことが、必要不可欠ということになります。これは長期的に見た場合、企業の存続にも関わることにもつながります。

つまり狭山工場閉鎖報道は、塩川議員が突っ込んだような、表面的なことだけでは解決できない苦渋の選択だったと言えます。

閉鎖された場合期間工はどうなる?

では狭山工場が実際に閉鎖になった場合、期間工はどうなるのでしょう。かなり、シビアな状況になるのか、それともあまり大した影響はないのか、考えていきます。

正規従業員である正社員の人たちは、寄居や鈴鹿に移動になることが簡単に予測できます。とはいえ、狭山工場の近くにマイホームを持ってしまった人や、ご高齢のご両親を抱えている人たちにとって、転勤は大変なことです。

目を転じて期間工はどうなるのかというと、狭山の期間工がそっくり寄居や鈴鹿に移動になることは、あまり考えらません。

理由は狭山の正社員の人たちが、ごっそり寄居や鈴鹿に移動になるからです。当然、その余波が寄居や鈴鹿の期間工にも及ぶと考えられます。残念ですが、これがホンダ期間工に対する現状だと考えられます。

しかし期間工を募集しているメーカーはホンダだけではありません。自動車工場の仕事内容はどのメーカーも基本的に同じなので、むしろホンダでの経験は他メーカーの期間工になるときにはプラスに働きます。

まとめ

期間工は非正規従業員ですから、残念ですが今回の狭山工場閉鎖などのような現象が起きると、真っ先に人員調整としての役割を求められます。つまり、雇止めによって、人減らしをするということになります。

とは言え、前述のように期間工を募集している自動車メーカーは、ホンダ1社ではありません。国内マーケットはさほど活性化しているとはいえませんが、輸出は好調です。ということは自動車産業自体が衰退しているわけではなく、全体的には好調を保っています。

たまたまホンダが国内の生産拠点の再編に取り組む必要があったため、狭山工場の問題が発生しました。仮に狭山工場が閉鎖になったとしても、他にも期間工の仕事はあります。

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