学歴などに関係なく、ちょっときついけれども結構稼げる仕事に「ガテン系」と言われている職業があります。
ガテン系は体を思い切り使ってでもとにかく稼ぎたいっていう人には、魅力的な仕事です。ガテン系の仕事は建築現場などが代表的ですが、それ以外にもライン工なども含めていろいろな職種があります。
このページではガテン系にはどんな仕事があって、どの程度の給料がもらえるのか、仕事をするときの注意点にはどんなことがあるのかなどの基本情報をまとめています。
ガテン系を目指そうとしている人は参考にしてください。
- 【目次】ガテン系の求人内容まとめ!きつい仕事でいくら稼げるのか?
ガテン系の仕事内容と給与相場
ガテン系の代表的な職種の仕事内容はどんな感じなのか、もらえる給料はどのぐらいなのかなどの基本情報を集めてみたので解説していいきます。
土木関係
ガテン系の代表格的な存在が、土木建築関係です。それぞれの代表的な仕事内容と、もらえる給料を解説していきます。
仕事内容
土木工事の現場で行う作業の多くは力仕事と、重機の運転になります。経験のない若い人の場合、まず掘り出した土砂の片づけや運搬などの力仕事から始まります。
この部分だけのアルバイトもあります。重機の運転は危険が伴うためベテランにならないと、なかなか任せてもらえません。
工事の種類は数多くて、道路、河川、ダム、橋梁、宅地造成、区画整理、田んぼや畑の耕地整理や用水路・排水路の整備、ガスや水道及び電気などの埋設など幅広い仕事内容となっています。
給料はどのぐらいなのか
土木作業員の平均年収ですが、口コミやネット情報で調べたところ300万円~376万円ぐらいだといわれています。ただしこの金額は一般的な作業員の年収です。
ホイールローダーやショベルカー、クレーンや玉掛けなどの資格を持っていれば、収入はかなり増えます。資格の数イコール収入増とまでは行きませんが、数多くの資格を持っていればそれだけ収入も増えます。
しかし1,000万円以上の年収を目指すのでしたら、「土木施工管理技士」という国家資格を取得して、大手ゼネコンの現場監督になれば可能性があります。
建築関係
仕事内容
建築関係の仕事内容は基礎工事、鳶(とび)、躯体工事、鉄筋工事、大工工事、外装工事、内装工事、左官工事、塗装工事、電気及び設備工事、外構及び造園工事などのように細かく分かれています。
どの道に進むのか考えてその職種に就くようにしないと、成長は難しいですね。アルバイトの職種もいろいろで、一日中掃除をするポジションもあれば、重い物を運ぶ仕事や、コンクリートを流し込む型枠を設置する助手など、いろいろあります。
給料はどのぐらいなのか
建築現場で働く人の給料をネットで調べてみました。
建築現場で働く人の給料は、職種によって全く変わってしまいます。例えば鳶職だと見習の日給が7,000円から10,000円程度になっています。
一般的な鳶職人は10,000円~14,000円、職長クラスだと12,000円~18,000円程度になっています。鳶職の平均的な年収は、厚生労働省の年収ガイドによると421万4900円になっています。
ちなみに建築現場のアルバイトの日給は東京だと8,000円~10,000円程度になっています。仕事内容や現場によって、給料には差が出て来るようですね。
トラックドライバー
トラックドライバーの仕事内容はどんな感じなのか、給料はどの程度もらえるのかなど、基本的なことを調べてみました。
仕事内容
トラックドライバーの花形と言えば、やはり大型トラックのドライバーですね。大型トラックドライバーの仕事は主要都市にある集配所の荷揚げ所から荷物を受け取って、別の都市の集配所にある荷下ろし所まで運ぶ仕事が多いです。
通常の荷物内容の場合、フォークリフトの免許を持っていると自分で揚げ降ろしをするケースが多く、特殊な精密機械などの場合は、揚げ降ろしをしないケースが多いと言います。
給料はどのぐらいなのか
大型トラックのドライバーは運送会社の正社員です。給料は厚生労働省の年収ガイドによると453万9900円となっています。この金額はあくまでも平均値で、求人をしている企業によって賃金には差があります。
ちなみに、大型トラックドライバーの仕事にはアルバイトはありません。
整備士
整備士には自動車・電車・航空・船舶関係などの分野があります。
整備士の仕事内容はどんな感じなのか、収入はどの程度あるのかなどの基本情報を集めてあります。参考にしてください。
仕事内容
整備士の仕事は分野ごとに資格があり、内容も細かく分かれています。
基本的にはどの分野でも定期点検・故障原因追及と修理・リコール対応・パーツ交換・オーバーホールなどが主な仕事になっています。
給料はどのくらいなのか
整備士の中でも一般的な自動車整備士の年収ですが、Careen Garden調べでは380万円~400万円。CLUTCH調べだと405万円になっています。いずれにしろ400万円前後という感じですね。
ちなみに整備士の仕事は資格が必要なので、アルバイトはありません。自動車工場などでアルバイトを募集しているのは整備士ではなく、いわゆる雑用係です。
調理師
調理師の仕事内容や収入はどんな感じなのか、基本情報を調べてみました。調理師にはいわゆる和食やイタリアン、フレンチなどのジャンルがありますが、ジャンル毎に違いはあるのかどうかも、わかる範囲で調べてみました。
仕事内容
調理師の仕事はどのジャンルにも、いわゆる階級的な段階があります。一般企業でいう係長や課長的な階級ですね。
そこでこの階級について、いま世界的にも話題になっている和食の世界の階級で、役割を説明していきます。和食の世界の階級は下記の通りです。ちなみに順位は下位からです。
- 追い廻しー雑用全般
- 洗い方―魚や肉の下処理
- 揚場―から揚げや天ぷらなど
- 焼き方―魚や肉、野菜などを焼く
- 煮方―煮物や蒸し物全般を受け持ち、店の味もここで決まることが多い
- 次板―脇板や二番板とも言われる親方の次のポジション
- 本板―店の調理場のトップ、花板や立板、親方とも呼ばれる
こんな感じですが、どんなジャンルの調理師にもこのような序列があります。ちなみに、調理師のアルバイトは、正確に言うとありません。調理師には国家資格が必要だからです。アルバイトは、調理補助という名目です。
給料はどれくらいなのか
調理師全体の平均年収ですが、厚労省の年収ガイドによると339万7000円になっています。
これはあくまでも平均年収なので、採用される企業の待遇や自営かどうか、自営でも営業規模や売り上げの大小によって相当違いがあるのが調理師の世界です。
漁師や就農者
私たちの生活に欠かすことのできない魚介類や農作物は、漁師の人たちや農業に従事している人たちによって提供されています。
漁師や就農者の仕事内容や収入の基本情報を調べてみました。
仕事内容
漁師の仕事は扱う魚介類の種類によって、かなり違いがあります。しかし養殖業を除くと、基本的には漁のポイントまで船でいって、延縄(はえなわ)漁などの様々な漁法によって魚を採ること。そして、採った魚の選別をして、漁協などに収めることが主な仕事です。
一方の農業は、畑や田んぼを耕して作物が育ちやすい環境を作り、種をまいたり苗を植えたりして収穫できる大きさまで育てます。その後収穫をして、大きさなどの規格毎に選別をしてJAなどに収めることが仕事になります。
収入はどのくらいなのか
漁師の年収は厚労省の年収ガイドによると207万円になっています。
これは、ほとんど稼働していない漁協の組合員なども数も含むので、正確度から言うとちょっと疑問があります。とはいえ、一般的に漁師の収入は厳しい状況にあると思います。
しかし沿岸漁業や遠洋漁業に従事する漁師は、比較的高収入を得ています。年収600万円から1,500万円ぐらいの収入を得ている漁師さんも結構いるようです。
一方の就農者の収入ですが、厚労省の年収ガイドによると水田作農家の年収が53.8万円で、畑作農家の年収が226.9万円となっています。これではやっていけそうもない金額ですね。
これも全体的な数字ですから、ほとんど稼働していない農家や、趣味として就農している人の僅かな年収も入っているので確度としては低いかもしれないですね。
しかしMayonezというサイトでは平成26年の平均年収が456万円といっています。そんな中で、専業農家の年収は同じく平成26年度で633万円という数字がでています。また、同年度で兼業農家の年収が516万円でした。
製造業のライン工
製造業の代表的な職業にライン工といわれる職種があります。工場の製造ラインに携わって仕事をするため、ライン工と言われています。
ライン工には正社員と非正規社員である期間工がありますが、仕事内容はどちらも同じです。
ライン工(期間工)の仕事内容はどんな感じなのか、収入はどの程度あるのかなどの基本情報を調べてみました。
仕事内容
多くの工業製品は、製造ライン上で生産されます。ラインはいくつかの工程に分かれていて、ライン工はその工程の中のどこかを受け持って、作業をします。
自動車工場の完成車組み立てラインを例にとって、製造ラインの工程を下記のように説明していきます。
- プレスーロー状に巻かれた鉄板を切断、各パネルやパーツの形にプレス
- 溶接―プレスで出来たパネルやパーツを溶接して自動車のボディーの形にしていく
- 塗装―溶接で出来上がったボディーに塗装をする
- 組み立てー塗装で完成したボディーにエンジンや足回り、内装品を組み付けて完成車にする
- 検査―組み立てで出来上がった完成車が規格通りに作られているかどうかを検査する
このようにライン上では各部署の仕事内容が決まっていて、ライン工(期間工)はどこかを受け持って仕事をします。基本的なことや難しいことなど、ほとんどのことは機械がやってくれるので、専門知識や技術を要求されることはありません。
給料はどれくらいなのか
自動車会社工場勤務者正社員の年収ですが、口コミやネットの情報などから拾うと20代、30代だと300万円代から500万円代になります。
一方の期間工の年収は年齢に関係なく300万円代から500万円に近い年収がもらえます。期間工の勤務年数はほとんどの企業で、2年11ヶ月です。
期間工の賃金にはボーナスがないのですが満了慰労金と報奨金があって、2年11ヶ月のフル満了まで勤務した場合、多くの自動車会社で150万円前後、ちょっと高めの自動車会社だと200万円前後、一番多額の自動車会社だと300万円を超える支給額になります。
2年11ヶ月勤務して得られる収入は、1000万円を超える人は普通だということが期間工の収入です。さらに、多くの企業は水道光熱費まで含んで完全無料で住める寮を提供しているので、ガッツリ貯金のできる環境を与えてもらえるのも期間工です。
しかも、この収入を得るために必要な学歴も、経験も、資格も、一切必要がないのが期間工です。
ガテン系の仕事をする際の注意点
ガテン系の仕事をする際にはいくつか注意点があるので、検討している人は予めチェックしておきましょう。
健康管理
ガテン系の仕事で注意絵をしなくてはいけないことのひとつに、健康管理があります。どんなことに気を使って健康管理をしなくてはいけないのかということを調べたので、参考にしてください。
熱中症対策を十分にする
工場や建設現場の仕事の環境は以外に暑い場所があります。自動車工場などを例にとると、完成車の組み立てラインだとプレス工程や溶接の工程などは、かなり高温の環境下になります。
またエンジン製造ラインだと、溶けた金属を型に流し込む鍛造や鋳造の工程などは、まさに灼熱地獄になります。他の業種でも工場の仕事は高温の環境下になるケースがあるので、熱中症対策を十分にすることが必要です。
また屋外ですが、土木作業現場や建設作業現場の夏季の環境は、灼熱の中での肉体労働になるので、注意が必要です。
スポーツドリンクや塩飴は必須ですし、各種熱中症対策グッズも許される範囲で活用しましょう。もちろん、休憩時間には十分に水分を取るようにしてください。
交替勤務対策
工場は基本的に24時間操業なので工場勤務の場合、交替勤務といって1週間ごとに昼勤と夜勤を繰り返す勤務になります。
交替勤務で気を付けなければいけないことは、体内時計が狂うことによる自律神経失調による体調不良防止を心がけることです。体内時計が狂うと胃腸障害や生活習慣病、睡眠障害を誘発するなどの症状が出やすくなるので、気を付けてください。
対策としては夜勤の時の昼間の睡眠時間帯には、遮光カーテンを使うなどの対策をしっかり行って、睡眠をしっかりとることが重要です。
危険が伴うこともある
ガテン系の仕事には危険が伴うことが意外にあります。
そこで、ガテン系の仕事にはどんな危険があるのか、危険を回避するためにはどんなことが必要なのか調べてみました。
高所作業の危険
高所作業には落下するという危険があります。とくに鳶職の場合、高所作業はつきものですから、落下の危険は常にあります。
落下による怪我や死亡事故を避けるためには必ず命綱を付けることなど、マニュアルで決められたことをしっかり守ることがポイントです。
機械操作に伴う危険
工場の仕事で怪我をしやすいのが、旋盤など金属を削ったり切ったりする機器操作の仕事だと言われています。操作ミスなどで指を切断したり、運が悪いと腕を切断してしまうケースもあるようです。
他にも注意力が低下しているときに、仕事に必要なボルトやナットなどが入ったカゴを運んでいるときに転倒をして、前歯を折ってしまったという笑えない話もあります。
このような事故を避けるためには、機械操作のマニュアルをしっかり守ることと、仕事中の集中力を切らさないようにすることが一番重要です。
ガテン系とはどういう意味?
よくガテン系っていうけれども、そもそも言葉の意味はどんなことなんだろうって気になったので調べてみました。
ガテンというネーミングの由来
ガテンというネーミングの由来ですが、実は求人誌のタイトルから来ています。
1991年9月にリクルートから創刊された、いわゆるブルーカラーに特化した求人誌のタイトルが「ガテン」だったからです。
バブル景気は1991年2月までとされていますが、ガテン創刊当時はまだバブルの余韻が残っていて、いわゆる3K(危険・きつい・汚い)ということが含まれている職業に対して、多くの若者が抵抗感を持っていました。
このため、ブルーカラーを求めている企業は人材難に陥り、専門の求人システムを求めていたのですが、それに応えて創刊されたのがガテンだったので、その後ブルーカラー的な職業をガテン系と呼ぶようになったのです。ちなみにガテン自体は2009年から休刊になっています。
なぜガテン系というのか
ではなぜガテンというのかということですが、職人言葉から来ていると言われています。
江戸時代の職人さんたちが使っていた言葉に「合点(ガッテン)!」という表現がありますが、この意味は言われたことに対して「承知したよ」という意味です。
代表的な使い方ですが、落語に出てくる「おう、任しときねー。合点承知の助でー」っていう、あのフレーズです。落語好きじゃないと、ちょっと分かりづらいかも知れないですね。
こうしてブルーカラーの代表的なイメージとして職人仕事を取り上げ、「ガテン」と言えば職人仕事。職人仕事と言えば体を使う仕事、という連想をさせるために求人誌のタイトルになったようです。
その後職人仕事よりも、肉体労働としての捉え方やイメージが先行して、現代では職人仕事よりも体を使う仕事のガテン系というようになっています。
ただ、創刊当時のコンセプトは、流行にとらわれない職業の選択、自分の価値観にあった合点のいく生き方の提案だったと言いますから、必ずしも肉体労働イコールガテンというイメージを目指していたわけでもないようです。
まとめ
ガテン系は職種によっては稼げる仕事があることがわかりました。また職を手に付けて、将来独立開業ができそうな仕事もあります。
中には、国家資格の必要な仕事も多く調理師や整備士などが該当します。他にも漁師になるためには船舶免許が必要で、これも国家資格です。
しかし、同じガテン系でも製造業のライン工(期間工)だったら学歴も、経験も、資格も、資金も、まったく必要がありません。
それに期間工の中でもオートマチックトランスミッションや、カーナビなどを作っている工場だと、女性でも務まるぐらいの体力しか必要がないので、体が楽で稼げるガテン系だと言えます。
ガテン系をやろうと思ったときに、期間工の求人もぜひチェックしてみてください。