年齢 | 勤務期間 | 給料(月平均) | 担当した工程 |
---|---|---|---|
32歳 | 2年11ヶ月 | 30万円前後 | エンジン生産ライン |
期間工として一定の期間勤務をしたとき、先輩たちはどのような体験をしたのか興味があります。
そこで、実際に期間工として勤務をしていた人の体験談や、まだ勤務中の人の体験談をまとめてみたので、参考にしてください。
トヨタ期間工Mさんの体験談
トヨタで期間工をしていたMさんの体験談です。
Mさんは32歳の男性で大学を卒業した後不動産関係の会社に就職したのですが、あまりのブラックさに嫌気がさして退職。とにかくお金を貯めて、今後の人生を立て直すことを考えたといいます。
そのMさんが働いていた工場や時期と期間、給料面や寮の生活など、これから期間工を目指す人にとっては見逃せない情報を紹介します。
働いている、または働いていた工場名
上郷工場でした。エンジン関係の生産をしている工場です。
働いていた時期と期間
平成26年9月から平成29年8月までです。2年11ヶ月勤務していたので、フル満了まで勤務したことになります。
期間工になった理由を教えてください
大学を出てから不動産関係の会社に就職をしたんですが、サビ残は当たり前だし休日出勤も当たり前で、しかも代休は当然のようにもらえないし有給休暇なんてとんでもないっていう、超ブラックな企業体質が嫌になり、我慢できなくなって辞めたわけです。
このままじゃ自分の未来はないと思って、会社を辞めてとにかくお金を貯めてから今後の人生を立て直そうと思ったわけで、比較的高収入で貯金しやすい期間工になりました。今は行列のできるラーメン店開業を目指して、超有名店で修業中です。
面接ではどんなことを聞かれましたか?
結構いろんなことを聞かれましたね。仕事はきついが体力に自信があるかとか、スポーツの経験はあるかとか、借金はあるかとか、ファッションタトゥーも含めて刺青はしているかとか、身長・体重・視力についても聞かれました。
あとはきつい仕事で残業もあるし、2交替や3交替の勤務もあるが大丈夫かとか、尞には当たり外れがあるが文句を言わないかなどが代表的な質問だったかな? あと、志望動機も聞かれましたね。
それと面接をクリアーするコツっていうのかポイントは、すべての質問に対してポジティブな受け答えをすることですね。もちろん、言葉遣いや態度もキチンとすることは当たり前ですが。
やっていた作業・仕事内容は?
私の場合は上郷工場なので、エンジンの生産に関わる仕事でした。鍛造と鋳造のラインでは、溶けた金属を型に流し込む仕事でしたし、加工のラインでは鋳造や鍛造で作られた部品のバリ取りや金属加工をやっていました。
全て機械がやってくれるから危ないことはまったくないし、難しいっていうようなこともなかったですね。緊張するのは初めのうちだけで慣れてしまえば流れの中でできる仕事だったので、奥の深い仕事じゃないと思います。
むしろ、いま修行をしているラーメン作りの方が難しいですよ、奥深くてほんとに難しい。
給料はどのくらいでしたか?
トヨタの期間工は日給制で、初めは9,600円です。最終的な3年目には10,900円になります。これに残業や深夜手当、休日出勤手当なんかが付くんで、ほぼ毎月の総支給額は30万円を超える金額になっていましたね。だから年収は初年度から400万円を超えていたので、ほんと嬉しかったです。
それとよほど能力がないとか、勤務態度に問題がなければ6ヶ月ごとに契約更新があります。その時に満了一時金が支給されるんですが、フル満了時までにもらえる最大額が300万円ちょっとですから、年間100万円ぐらいはあるんで年収は高くなります。ただし、欠勤・遅刻・早退があると減額されますよ。私はなかったから、全額もらえました。
寮や社宅生活はどうでしたか?
寮はアビリオ大林でした。ワンルームの完全個室だったので、プライベートはほぼ守れます。風呂とトイレは共同だったけれど、考えようによっては自分で掃除をしなくてもいいので案外楽です。それに、風呂は大浴場なんで、手足をゆっくり伸ばせたのは良かったですね。
食堂は味・量ともに文句なかったです。料金はちょっと高いかなと思いましたが、食費の補助が出るんで結果的にはリーズナブルでした。
他の寮のことは分かりませんが、私のいたアビリオ大林寮については全体的に超快適とまではいかなかったけれど、あの環境に無料で住めることは有難かったですよ。
社内や寮での人間関係はどうでしたか?
工場内では緊張感は当たり前にあったけれど、それは仕事だから当たり前だと思います。でも正社員の人たちと我々期間工の関係は、案外よかったと思います。上司に食事の時や休憩時間に仕事のことで相談しても、嫌がらないで教えてくれました。
期間工同士の関係もごく普通に挨拶をしたり、食堂で食事をしているときに会話をしたりしていました。それに中の良い人同士の間では、持ち回りで部屋飲みをすることも良くやりましたから、案外人間関係は良かったんじゃないかな。
休日はどのようにすごしていましたか?
期間工になりたてのころは、体を休めるために部屋でゴロゴロでした。2、3ヶ月して体が本格的に慣れてくると、気の合う人たちと一緒に名古屋なんかの繁華街に出て名物のひつまぶしを喰ったり、味噌煮込みうどんを喰ったり、名古屋飯を楽しみながら一杯飲んだりしてましたね。
お金がかかるんで月に1、2回でしたが、その他の時は溜めちゃった洗濯をしたり部屋の掃除をしたり、部屋で一人酒をしながら音楽を聞いたり、本を読んだりしてたんで、退屈っていうことはなかったです。案外楽しかったですよ。
期間工になって良かったと思うことは?
一番良かったことは、なんといっても人生の立て直しをストレートに考えられたことです。他の職業だったら仕事に追われて先のことを考えられなかったと思いますが、期間工は仕事が終わると考える時間はたくさんあります。だからラーメン店をやろうって考えられたんです。
これが期間工になってよかったと思えることですね。あと、お金をたくさん貯められたことはもちろんです。
期間工になって一番きついと感じたことは?
一番きつかったのは、単純作業の繰り返しだということですね。毎日同じことの繰り返しで、俺は機械の一部になっちゃったんじゃないのかなって思うことが結構あるんですよ。
この感覚が一度だけじゃなくて、定期的に襲ってくるんです。それを感じなくなるんじゃなくて、乗り越えることがきつかったですね。
これから期間工になる人にひとこと
いま言ったけれど、単純作業の繰り返しに耐えられることが必要です。
そのためには目的意識を持って、毎日の仕事に向かっていくことが大切だと思います。目的はなんでもいいんですよ。例えば35か月間で500万円貯金をするとか、とにかくなんでもいいんです。
その目的を達成しながら次の目的を考えることもできるんで、とにかく目的を持ってそれを達成する努力をしてると、単純作業にも耐えられます。
それと夜勤と通常勤務を繰り返す交替勤務が基本なんで、体調管理をしっかりやらないと欠勤をしたりする人もいます。そうなるとせっかくの満了一時金が減額されちゃいますから、しっかり体調管理をすることが大切です。